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白毛猴
(はくもうこう)(パイマオホウ)(bai mao hou)

 『白毛猴』、聞きなれない品種かもしれませんが、20世紀初頭の台湾では優良種として広く栽培されていたようです。元々は椪風茶(東方美人)を作る為の代表的な茶樹だったようですが、現在では坪林・石碇・南港一帯の老茶區に於いて極僅かに確認できるだけと言われています。

桃園縣の楊梅鎮・龍潭郷にも僅かながら点在するという話を聞いたことが有り、龍潭郷で偶然にも『烏金烏龍』を発見できた事からも探してみる価値があるかもしれません。

日本統治時代だった1914年から当時の研究員井上房邦氏が記した各種茶葉の品質・価格の統計によると、各茶種中製茶品質順序の筆頭に『白毛猴』が挙げられ、『烏金烏龍』『青心烏龍』『黄柑』『
青心大』が続きます。茶葉形状では『白毛猴』『青心大』が最良とされ、茶葉色も『白毛猴』が最良、続いて『黄柑』『青心大』『猫耳』が挙げられています。その他にも茶水色で筆頭、香味では『青心烏龍』及び『黄柑』に次いで2位と圧倒的な成績を残しています。

とある茶館に於ける5年間の平均価格でも『白毛猴』はトップで、当時の値段で30,184円(100斤)、次いで『烏金烏龍』25,278円(100斤)、3番手に現在主流となった『
青心大』25,086円(100斤)と続き、ダントツの商品価値を誇っていたようです。
 
茶業改良場の標本茶畑にある『白毛猴』です。標本畑の右手奥に有り、『烏金烏龍』の標本とも近い場所に有ります。改良場に現存する茶樹は太ももの高さの程度の小さいものでした。


『白毛猴』と掌との対比です。とても小ぶりで可愛らしい茶葉です。丁度茶の花が咲いていましたが、花の大きさは茶葉に比べ大きい印象を受けました。

さすがに茶葉を食べる事は気が引けましたが、茶葉が小さく樹の勢いが然程強くなさそうな点から苦味が少なく、甘味がありそうな気がします。
(あくまで想像ですが・・・)
このサイズから『白毛猴』で作られた東方美人の茶葉は他の茶葉から作られた茶葉より細かいものになるでしょう。

また、芽葉のうぶ毛(白毫)が顕著らしく、美しい外見を持った茶葉を想像できます。
(残念ながら写真では芽葉を捉えられませんでした。)

お茶の品質は、茶樹の品種だけではなく製茶技術も重要な要因である事は疑う余地の無いことですが、機会があれば『白毛猴』で作られた東方美人も試してみたいものですよね。

↓追加記事↓
この記事を書いた1年後の2004年、幸運にも白毛猴から造られた東方美人を入手する事が出来ました。

当時は上の写真で判るように比較的小柄な茶葉の外観から、製茶後の東方美人も比較的小さな茶葉を想像していました。
しかし、実際には想像を絶する白毫の多さ、逞しさに上記の他の茶葉から作られた茶葉より細かいものになるでしょう。という部分は撤回させていただきます。やっぱり実物を見なければ判らないものですね…。
◆白毛猴から造られた東方美人は→こちらから。

※ 参考 陳煥堂・林世U著『台湾茶』
       薛雲峰『椪風茶』
   出典・参考 井上房邦<台湾之茶樹品種>





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 copyright(c) 2004 台湾福茶 Hajime Ichishima